オフショア開発とは


リソース不足を解決

オフショア開発の解説


日本企業のグローバル化

オフショア開発の現状

オフショア開発とは、国内企業ではなく、海外企業にシステム開発を委託(発注)することで、人件費や開発コストを抑制する手法のことをいいます。委託先は国内と比べて、ベトナムやミャンマーといった新興国などは人件費が安く、また、エンジニアの技術力も高いため、効率の良い開発を行うことができるメリットがあります。しかしながら最近の世界経済情勢の変化に伴う日本経済への影響が大きくなっていることは言うまでもありません。金利の変動、為替の変動、消費者動向の変動、GDP成長率など様々な影響により、日本企業のビジネスへの影響は大きくなっております。その関係で日本企業の賃金が上がらず、諸外国との差は昔ほど大きくなくなってきている現状もあります。特に言うまでも無く中国の成長は著しく、ベトナムに関しても近年5~7%程度の経済成長を遂げています。そのような中で、そもそもの目的である人件費や開発コストの削減が計画通りの数値にならないケースも多発していますので、オフショア開発の成功失敗事例もたくさんあります。オフショア開発で一番歴史があり、品質が確保できる中国は、人件費が高いから、もっと人件費の安価な地域に依頼するケースも増えています。しかしながら日本語が通じない、業務上の専門用語がわからない、商習慣が理解できない、品質が悪くて日本側で修正を繰り返していたら手戻りが多くなって、結果クレームになり開発コストもオーバーしてしまった。このようなプロジェクトも少なくありません。国の違いというよりは進出しているオフショア開発企業の違いにも左右されると考えています。さて、これからのオフショア開発はどうなっていくのでしょう。

    オフショア開発の対応プロセス

    弊社J&Cカンパニー中国オフショア開発センターでは、オフショア開発サービス範囲として、5年前から下記の全プロセス(RDからOTまで)対応可能です。10年前はPDからUT、製造と単体テストぐらいしか対応できませんでしたが、日本経験技術者が増え、日本の商習慣や業務も理解できるようになり、中国経済の発展と共に自国では全てのプロセスを対応する必要があることなどから対応範囲が広がりました。もちろんオフショア開発企業によって特徴は様々ですが、多くの中国オフショア開発企業はJ&Cと同様で幅広いサービスを保有しています。下記のシステム開発 工程(流れ)図のご説明においては別のコラムをご覧ください。

    システム開発

      これからのオフショア開発の目的を考察

    • 技術者リソース不足を解消
    • 日本のIT技術者不足は深刻です。背景として少子高齢化による労働人口の減少に加えて、デジタル化、IT化による生産性向上や利便性を求めようとするビジネスが拡大しています。ソフトウエア開発には様々なプロセスがありますが、上流工程、下流工程含めて慢性的にリソースが足りていない為、あんもくの過重労働、人的ミスによるトラブルなどに発展することもあります。また最近日本政府が開発リリースする政府系手続きシステムやパンデミック対策用のアプリなどは、他国のシステムと比べて、リリースするにも時間がかかりスピード感も無く、利用してみても操作性もわかりにくいものばかりという印象を受けるのは、法律の問題もあると思いますが、優秀な技術者が少なくなっていることも原因だと、小生は思います。そのような背景から、オフショア開発を依頼して長期的なリソース確保をしましょう。

    • 新技術の活用

    • 新しい技術が発表されたからといっても、業務や利用用途によって、その新しい技術が適応できるかどうかは別問題です。しかしながら日本企業のソフトウエア資産は、未だにレガシーシステムが多く残っています。そしてITベンダー、IT企業によって差はありますが、ある分野、ある特定メーカーの開発した言語やツール、データベースに拘ることが多く、新しい技術があっても、あえてそれを活用することをリスクとして考えている技術者もいます。ところが海外のIT技術者は果敢に新しい技術をチャレンジしながら、調査研究を積み重ねていくタイプが多いです。アプリケーション開発、webシステム開発、Androidアプリ開発、組み込み開発、AI分析など、幅広い分野で新しい技術を保有しています。どうでしょうか。魅力がありますね。一度オフショア開発をする前に、オフショア企業の技術者と面談してみませんか。

    • 新しい開発手法へのチャレンジ

    • 日本では従来からウォーターフォールモデル開発が主流です。そして最近ではアジャイルモデル開発が流行しています。ビジネスの変化のスピードが速い今日では、アジャイル型の方が向いているでしょう。私が10年以上関わっている中国ではほぼアジャイル型、またはスクラム開発ですが、日本企業は、開発手法を変えるのはリスクと考えて取り入れない会社が多いです。どうしてでしょうか。もちろんターゲットシステム業務によっては従来型の方がむいているものもありますが、1年以上も開発期間を要する割には、ユーザニーズを細部まで考慮しているシステムは少ない気がします。アジャイルであれば小さな機能単位で実装からユーザも加わってPDCAしていきますので、細部まで考え抜かれたシステムが速くリリースできるメリットがあります。設計書は後回しで。このようにたくさんのメリットがありますが、リスクを恐れたり、やり方を変えることに対しては抵抗がある管理職の方が多いようです。海外オフショアを活用する時は、今までのやり方を変えてみるトライヤルの良いチャンスだと考えます。中国人技術者であれば、日本語も堪能で中国国内ビジネスで豊富なアジャイル経験があります。オフショア開発小規模開発で一度実験されてみてはいかがでしょうか。

    • 経営的なビジネスのグローバル化への第一歩

    • 最近ではグローバル化という言葉は古いかもしれませんが、実態はグローバル化していない中小企業は多いです。しかしながら一歩踏み出した企業はどんどん活用しており、現地法人化もチャレンジ。やはりインターネットの普及に伴い、気軽にチャットや無料電話、無料のテレビ会議などができるツールやアプリが多くなったことにより、距離感を感じさせないコミュニケーションが可能になってきたことも、グローバル化の推進に繋がってると考えられるでしょう。そのような背景によりオフショア開発が注目されてきた理由の1つです。オンラインを通じたコミュニケーションが行えたり、空間的距離を考慮しない開発ができるようになったため、オフショア開発がより身近なものになりました。また、海外への進出コストのハードルが下がってきたため、今までは、大手企業しか海外投資をすることができませんでしたが、現在は、中小企業でも海外投資を行えるようになっています。このような点から、オフショア開発を利用する企業が増えてきています。

      オフショア開発で注目されている国

      最初に誤解の無いように本論に入る前に前説しておきますが、国によって、政治経済、商習慣、文化、物価、人件費など様々な違いがありますが、前述したようにこれから5年後はどうなっているか予測は不可能です。以前のように日本目線で諸外国との人件費の差を計画することは不可能となりました。そして第二に、それぞれの国でオフショア企業として現地法人化、拠点展開をされて経営努力している会社もたくさんあります。ここ数年で海外に見切りをつけて撤退した企業もあります。国の違いというよりは、オフショア企業や拠点としての経営努力の差によって大きな違いがあると言えるでしょう。

      さて、ここから本論ですが、最近オフショア開発で注目されている国は、「ベトナム」「フィリピン」「ミャンマー」「バングラディッシュ」「インド」「中国」といったところだと思います。特にベトナムは最も注目されている国です。ベトナムは国の政策としてIT人材の確保に取り組んでいるため、1人1人の技術力が高く、最新技術に対応できるエンジニアも多数存在します。デメリットは日本語力でしょう。開発人件費も数年前は10万円以下でしたが、どんどん高騰しており30万円以上になってまいりました。日本と比較してもかなりコストが抑えられます。人柄も日本人と似ている部分が多く、真面目で勤勉な人材が多いので、コミュニケーションを取りやすいでしょう。フィリピンとバングラディッシュは、エンジニアとしての技術力も高いですし、英語力が高い点が特徴だと言えます。オフショア開発の課題として、言語の違いによるコミュニケーションの難しさがありますが、フィリピンでは英語でのコミュニケーションが基本となりますので、海外との交流経験がある人となら、スムーズに話を進めることができます。しかしながら日本人が英語が苦手であれば活用することはハードルは高いと言われています。ミャンマーは、とにかく人件費が安いため、小規模プロジェクトを行う企業にとっては、かなりコスパのいいオフショア開発ができると思います。国自体も親日国であるため、国境を越えた企業間コミュニケーションが取りやすい魅力もあります。日本人が初めてアジアの新興国に音連れた時に体験することですが、現地の開発設備が十分ではないといった課題点もありますので、企業選びは慎重に行うことをおすすめします。 中国は、近年経済成長が急速に進んでおり、エンジニアの人件費が高騰しつつあります。そのため、オフショア開発のメリットである、「人件費の削減」はあまり望めないでしょう。その代わり、技術力の発展が進んでいるため、アメリカにも劣らない新技術を活用したシステム開発をすることが可能です。優秀なエンジニアの確保を急いでいる企業で、コスト面を考慮していないなら、ベトナムやミャンマーよりも中国にオフショア開発を依頼する方が、多くのメリットを得ることができるでしょう。 インドも中国と同じく、経済成長によって人件費が高騰しています。近年は、日本のメガベンチャー企業でも、インドのエンジニアを多く採用している場所が多く、高い技術力の高さに注目されています。また、中国とインドは30年前からオフショア開発を行っているため、オフショア開発に関するノウハウを持っている企業が多いです。初めてオフショア開発を導入する企業は、歴史のある企業とコンタクトを取って進める方が、成功率が高くなると思います。

        中国オフショア開発を成功させるポイント

        前述しましたように、新しい技術、優秀なエンジニア確保、ラボ契約のように長く安定したリソース確保を目的とするなら中国オフショア開発がベストです。また初めて海外オフショア開発にチャレンジする場合も中国が対日オフショア開発領域では、豊富なノウハウを保有していますので、価格面が許されるなら、初回でも確実に成功させることができます。それでは成功のポイントを解説したいと思います。

      • 上流工程から中国人技術者の参加

      • オフショア開発の有無に関わら上流工程は重要ですが、その工程から参加させれば目的が共有されます。上流工程以降の詳細設計以降の場合であれば、キックオフの際にシステム開発の目的、プロジェクトの目的、ビジネスの背景を説明頂ければ、全体のモチベーション、高い意識が生まれます。下流工程だから特に必要ないなど説明を省いても構いませんが、これをするかしないかではプロジェクト開始時点、ドキュメントを分析した段階やもともとのソースコードを分析した段階で、あいまいな部分があれば、改善提案を積極的に行います。終盤で結合テスト、運用テストを実施する場合でも最適なテストデータをセットすることが自主的な発想で対応することも可能です。どうでしょうか。このような行為そのものは諸外国のオフショア開発とは違います。

      • コミュニケーションと信頼関係

      • 中国人技術者は高い日本語力だけではなく、近隣国として商習慣、文化も日本と繋がっています。そのような意味ではビジネス分野では積極的な交流をしています。日本人同士でもいえることですが、プロジェクトを成功させる秘訣は、チーム意識とお互いの信頼関係が重要です。中国オフショア開発企業の中国人技術者との交流は日本語で可能です。読み書き、聞く話す、是非積極的にchatしてください。コミュニケーションが多ければ多いほど、お互いの国の差異、個人の考え方の差異がわかるようになります。これを差異認識プロセスと言いますが、お互いに差異がわかれば、お互いを尊重できるようになります。国が違っても信頼関係が生まれます。

      • 明確にする

      • よく耳にしますが、アメリカ人や中国人は自己主張がはっきりしていると聞きますね。システム開発ではあいまいな要件や仕様はあとあと問題になります。これはオフショア開発でももっとも注意すべき事項です。ただ最近の日本SEでよくあるケースとして、複数案件同時並行、管理もSEもエンドユーザへの訪問も兼務しており多忙であることが多いです。また仕様を明確に整理することが苦手な方も多いです。従いまして、中国でオフショア開発するときは、QAを頻繁に出します。仕様の間違い、論理的な解析、含めて仕様書をチャックできる能力が高いことが特徴です。そしてそのような多忙なSE様であれば、中国側で仕様書を日本語で作成支援することもよくあるケースです。明確にするのは仕様書だけでなく、負担が大きくでできないことはできないと勇気をもってお伝えください。中国側で作成します。現在の中国オフショア開発は会社によって作業範囲は変わりますが、J&C中国オフショア開発センターでは上流支援も確実に可能です。

      • ブリッジseの存在

      • 従来のやり方は日本側にブリッジseを配置して、日本とオフショア側との橋渡しを担っていました。ブリッジseの力量によって、プロジェクト成功の可否が変わるぐらい重要な役割と言われてきました。もちろんそのような人材が日本側に配置した方が良いですが、近年のパンデミックにより、海外渡航が規制された関係で、現地ブリッジse無しという取組にチャレンジすることができました。現地に配置しないでろもーとでブリッジseとしての役割を果たせられるかどうかがポイントでしたが、どのプロジェクトも成功に導くことができました。最近では自信をもって現地派遣無しパターンを提案しています。

        いかがでしたでしょうか。以前のオフショア開発の目的と現在そして未来の目的は違います。厳しい時代を生き抜くためには、グローバルな世界情勢を視野に入れることも重要ですが、初めてオフショア開発を検討されるのであれば、オフショア開発先として中国オフショア企業が最適なパートナーだと言えます。初めての体験を成功に導くことが可能だと思います。成功した暁には次のステップとして長期的なパートナーとしてラボ型開発契約を締結してみても良いでしょう。多方面から広い視野で考えてみれば、日本経済が停滞している現在では、オフショア開発という言葉ではなく、グローバル開発という言葉の方が将来的には夢があります。そして海外のオフショア開発会社を自社のパートナーとしてビジネスを拡大していく考え方というものが、これからの日本企業には必要ではないでしょうか。次回のコラムではオフショア開発の成功事例や失敗事例(10年前は失敗もありました)などをテーマに発信できればと考えておりますので、またの機会をお楽しみに。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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